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女子高生をひき殺した87歳の男性に「無罪判決」。「予見可能性」とは?この判決が被害者だけでなく加害者も不幸にする理由

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交通事故の過失は「予見可能性」と「回避義務」で決まる

 

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交通事故の過失は「予見可能性」と「回避義務」によって決まります。

 

この「予見可能性」とは、危険な事態や被害が発生する可能性があることを事前に予測できたかどうかということです。

 

回避義務とは、予見できた損害を回避すべき義務です。

 

この2つで自動車事故の「過失」が決まります。

 

この「予見性」がなかったということで、先日、87歳の加害者の男性が無罪になりました。

 

87歳の老人が無罪になった裁判

 

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前橋市北代田町の県道で2018年1月、乗用車で女子高校生2人をはねて死傷させたとして、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた男(87)の判決公判が5日、前橋地裁で開かれました。

 

この裁判で「(事故前に陥った意識障害の)予見可能性は認められず、運転を避ける義務を負わせることはできない」として、この男性は無罪(求刑・禁錮4年6月)となりました。

 

ひとをひき殺しても「無罪」というとんでもない判決です。

 

意識障害について本当に予見できなかったのか

 

今回の事故につながった意識障害について、服用していた排尿障害の薬の副作用による急激な血圧低下が原因となった可能性があると説明したうえで、医師からの説明を受けた証拠がなく「意識障害が生じることを予見することはできなかった」としています。

 

87歳の老人が車を運転中に、何らかの障害に襲われることは火を見るより明らかです。

 

この老人にひき殺された16歳の女子高生の遺族は「頭が真っ白になった」と語っています。

 

高齢者だけにとどまらない「無罪判決」の意味

 

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今回のこの事故が「無罪」のままで上告されず終われば、今後病気による過失を問うことが難しくなります。

 

例えば車を運転していて、血圧の高い人が薬を飲んでいるにもかかわらず高血圧で意識を失って事故を起こせば「無過失」で「無罪」になります。

 

また、睡眠時無呼吸症候群の人が病名を知らずに意識を失って眠ってしまいひとをひいても「無過失」で「無罪」になります。

 

「無過失」なら自動車保険が使えない

 

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自動車保険の約款には「契約者が法律上の賠償責任を負った場合」とあります。

 

つまり、今回の87歳の男性のように無過失であれば「法律上の賠償責任」が発生しないので自動車保険は使えません。

 

相手の亡くなった女子高生には、一銭も支払われないことになります。

 

この「無過失」の判決は運転者にも不都合

 

この87歳の男性の弁護人は「難しく複雑な事件で、裁判所がこのような判断をしたことに敬意を表したい」と話しています。

 

本当にそうでしょうか。

 

判決後、被告の親族でさえ「無罪はあり得ないと思う。被害者の方には申し訳ないの一言。親御さんの気持ちを思えば許せないと思う」と神妙に話しています。

 

この「無過失」の判決は、自賠責保険さえ使えないということになり、被害者側だけでなく加害者側にとっても、今後どうしていいか分からない状態にさせました。

 

大っぴらに「無罪」といえない加害者

 

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この加害者の家族はすでに市内でも知れ渡っているでしょうし、これが「無罪」でなく執行猶予付きの判決ならせめて被害者に金銭的な賠償ができたと思われます。

 

下手に「無罪」を勝ちとったばかりに、さらに被害者から恨まれることになります。

 

この「無罪判決」は、法律的にはそうであっても、決して世間の常識では許されるものではありません。

 

加害者にとっても被害者にとってもまったく良いところがない判決です。